日本のiTunes Storeではいつになったら映画が買えるようになるの?


聴きたい曲があって日本のiTunes Storeに久々にアクセスしてみたら、MUDRA(ミュージックドラマ?)なるものがあるのを発見。ついに日本でも動画コンテンツの配信か?と思い、モチーフにしている曲が好きな曲ばかりだったこともあり、早速ダウンロード。

。。。言っちゃ悪いが、どれも大学生(高校生?)の自作映画並みの出来としかいいようがない。宮崎あおい西島秀俊主演でスピッツの楽曲を流し続ける「海でのはなし。」も、主演二人+菊池凛子の演技のおかげでぎりぎり成り立っている、かなりビミョーな映画だったが、そのレベルにも及ばない。(もっとも、「海でのはなし。」は、宮崎あおいがいっぱい出ているという点に限ってはファン必見の映画。こっちにも持ってきてます。)

海でのはなし。 [DVD]

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はやく、ちゃんとした日本映画をiTunes Storeでみれるようにしてください。>アップル・ジャパン。

口直しに、Time goes byのPVにリンク:

法学部男子たちの恋の物語、金城一紀「対話篇」

International Finance Seminarの関係でペーパーを今週中に終わらせる必要があって、ばたばたしており、更新できないでいます。すいません。

しかしペーパーを書く時間と比例して現実逃避の読書も増加中(笑)。1冊目は、去年の秋に東京から遊びにきたおばさんが差入れにもってきてくれた、金城一紀「対話篇」。この手の本は、風呂の中で読むに限ります。

「彼女がいなくなったからって、すべてが終わりなわけじゃないことは分かってるんだ」と彼は言った。「でも……」
 僕は毎日の生活のことを思った。かわり映えもなく、うすのろに流れていく膨大な時間の積み重ね。何か大切なものを得られると信じていなければ、間違いなくその重さに押し潰されてしまうはずだ。でも、ようやく得た大切なものを失ったその時は、いったいどうすればいいのだろう? 彼はその答えを知っているはずだけれど、僕は訊くことができなかった。怖かったのだ。
「変なふうに思われるかもしれないけど、僕はいま幸せなんだ」彼は僕の顔をしっかりと見つめながら、言った。「僕の記憶は彼女のことだけでいっぱいなんだ。僕をたまごみたいにふたつに割ったら、彼女の記憶だけが溢れ出すはずだよ」
 僕は黙ったまま頷いた。

この本に含まれる3つの物語は、すべて男どうしの対話の形で紡ぎ出されていく。自分のなかでうまく吸収できないまま、微妙な刺を残しながら無意識に沈んでいくはずの過去の出来事も、二人の対話のなかで新たな気づきが与えられることがあり、それを経てはじめて次に進むことができることだってあるのだ。

対話篇 (新潮文庫)

対話篇 (新潮文庫)

なぜアメリカではたくさん火災アラームが鳴るのか


最近外出中、急に建物の火災アラームが鳴り出した。作業を中断して避難せざるを得なかった。

僕個人としてはアメリカにきてから火災アラームで避難したのはこれが初めてだが、火災アラームが鳴って避難したという話を友だちからよく聞く。特に大学の寮は、1シーズンに一回は避難しているような気がする。特に真冬の夜中に避難する羽目になったときは、全員が避難し、消防隊員が建物内を点検するのが終わるまで、建物の外、寒空の中でえんえんと待たされるのは大変苦痛と思う。一方、日本ではめったにそういう話をきかない気がする。なぜだろう? 日本の火災報知器は精度が高い? アメリカの住民(特に寮に住んでいる人たち)は火災アラームをならすような行為をとりやすい?

ちなみに、大学の寮なんかだと、火災アラームが鳴ったのに避難しないとたしか100ドルとかの罰金が科されるという規則が制定されている(州法で決まっているところもあるかも?)。処罰根拠? 避難しないのは単なる個人的法益の放棄にすぎないような気もするが、適時に避難しない人がいることにより適切な消火活動が妨害されるという点に求められるのだろう。

アメリカ在住のロースクール生が使って便利なアプリ(その2)


その1に続き、iPhoneアプリの紹介をしようと思う。


今回は一番下の列から順に、左から右へと紹介する。

(1) Facebookicon

アメリカで最も使われているソーシャル・ネットワーキング・サービスは、Facebookロースクールが始まった直後は多くの友だちを登録するし、一年を通じて授業やなにやで知り合った人とfriendになって、keep in touchするのに便利。結構頻繁に情報がアップデートされ、パーティー等のイベントへのinvitationもこれで届いたりする。

このアプリがあればfacebookでできることはiPhone上で一通りできる。もっとも、実際に使うのは、statusの更新、friend requestへの対応、プライベートメッセージへの返事くらいか。

(2) はてなtouchicon

はてなダイアリーの記事編集、はてなブックマークのチェックが可能。

(3) Twinkleicon


twitterのチェック、更新ができるアプリ。HLS情報のtweetsが結構便利なほか、ロースクールの教授(CoatesやZittrain、Lessigなど)をfollowしている。iPhone 3GGPS機能を利用して自分の近くにいる人のtweetsをみることもでき、近くで何かイベントをやっているときなんかは見ていておもしろい。最近はU2がDavis Squareに来ていたようで、かなり話題になっていた。

(4) i英辞郎icon


英辞郎iPhone上で調べることができる。法律用語も含め相当専門的な単語も載っているので、電子辞書を持ち運ぶ必要はほぼなくなった。

Kindle 2の359ドルは読書習慣の買い戻し代金だと思う

午後のビジネススクールの授業のあと、クラスメートにKindle 2を見せびらかした(笑)。薄いねえ、画面きれいで目が疲れないねえ、画面の切り替え速いねえ、といった賞賛の後、いくら?という話になって雰囲気が変わった。

> で、いくらなの?
> 359ドル。
> え、それは高い。。。
> Kindle 2からワイヤレスで本を買うときの通信費も込みですよ。
> 無料で本が買えるってこと?
> いや、そうじゃないです。でも、25ドル以上する新刊のハードカバーも、9.99ドルで買えます。
> えー。それって高いんじゃ。何十冊も買わないと元がとれない。

Kindleは高い商品だ

少し考えてみた結論として、やっぱりKindle 2はそれ自体としては高いのだ。

新刊本が9.99ドルで買えるといっても、紙代・装丁代・印刷費・流通費等がかかっていないことを考えれば当たり前ともいえるし、リアルな本と違って人に貸したりあげたりできないのだから、決して安いとはいえない。プレミアム価格設定(premium pricing)がされたこの商品は、きっと、元がとれるかどうかで考えてはいけないのだろう。*1

iPodはなぜ普及したか?

AmazonKindleを、本のiPodとしてポジショニングしようとしているといわれるし、Kindle 2のデザインを見てもそれは明らかだ。

当初2001年に399ドルで発売されたiPodは、高すぎると酷評されたが、コアなアップルファンから次第に人気が広まっていき、(Dockコネクタがはじめて搭載された第3世代iPodWindows版のiTunesが導入された)2003年のホリデーシーズンから(iPod miniが発売された)2004年にかけていっきにtake offした。同じく2003年には、iTunes Music Storeがオープンし、CDのようにアルバム単位でなく好きな曲だけを(つまり安く)買えるようになったが、当初の曲の品揃えがあまり豊富でなかったことや米国外(少なくとも日本)への展開は遅れていたことを考えると、本質はそこにはない。

1,000 songs in your pocket。iPodが普及したのは、本当は音楽が好きだけれど、音楽をゆっくり聴く時間がなかった人たちが、毎朝自分の好きな曲の入ったCD/MDを選んだり、毎日何十枚ものCD/MDを持ち歩いたりするかわりに、自分のもっているすべての曲をiPodに入れて、いつでもどこでも自分の好きな音楽を聴くという習慣を取り入れ始めたからだと思う。一種のライフスタイル(の一部)の転換が起こったのだ。iPod以前と以後では、人々が毎日音楽を聴く時間はまったく変わってしまったのではないか?(この点についての実証研究ってあるんでしょうか? 難しいかな。)

Kindleはライフスタイル・ソリューション・デバイス

Kindleはきっと、こんな人を狙っているのではないか:

本を読むのは好きだが、忙しくなってからはあまり読んでおらず、趣味は読書ですといっていいか怪しくなってきている。平日、心に余裕がない朝は、どうせ忙しくて読めないかもしれない本を選んでカバンにいれるのもうっとおしい。何冊も持ち歩く*2のはもってのほか(そもそもカバンに入らない)。一日の中ですきま時間ができても、自分が読みたい本をもっていなければ、パソコンを取り出して仕事をするか、ネットをするか、ケータイをいじってしまうだろう。休日散歩にでかけるときも、本をもって出かけるかは出かけるときの気分による。通りがかった本屋でみつけた本を買ってカフェで読書するかもしれないが、ついつい読める以上に買い込んでしまって本棚にたまっていくのをみて、ちょっと情けない気持ちになる。

軽くて薄く、本を何冊も入れて持ち運ぶことができるKindleをいつでもカバンにいれておきさえすれば、ちょっとでも時間ができたらそのとき自分が読みたいと思った本を開いて読書することができる。

そういう意味で、iPodと同じように、Kindleはライフスタイル上の問題にソリューションを与えるデバイスなのだろう。そのソリューションに359ドルの価値があると多くの人が思うかどうか? Amazonの勝負は、ここにかかっているのではないかと思う。

*1:もっとも、著作権の切れた本の多くは無料でダウンロードできるし、新刊の本も無料ないし大幅値下げキャンペーンをしていることがあり、お得なことも多い。最近だと、洋書ニュース: 期間限定-World Wide RaveのKindle版を無料提供をダウンロードしたのでそのうち読もうと思う。

*2:そういえば、高校生のときは、男子校でヒマだったこともあって、2日で1冊ないし毎日1冊とかのペースで本を読むため、学校のロッカーに教科書ノートを全部おきっぱなしにする(おききょう)かわりに、リュックにつねに複数の本を入れていたし、コートのポケットにも文庫や新書を入れてコートをダメにしていたなあ。

激動のアメリカ弁護士業界は今後どうなっていくのか?


What's going on in the Legal Market?というセッションが開催されていたので参加してきた。ロースクールのOffice of Career ServicesとOffice of Public Interest Advisingの担当者(日本の大学の就職課に相当するものだが、相当よい仕事をしているようだ。なお担当者は法曹有資格者)のほか、元ワクテル・リプトンのパートナーでありcorporate law研究者であるJohn C. Coates、去年HBSから移ってきたAshish Nandaがパネル。司会はDavid Wilkins。

ハーバードロースクールはニューヨークのトップファームへの人材供給源でありつづけてきたが、金融危機による影響はひしひしと感じられる。ハーバードロースクールの2Lなのにサマーが決まっていない人も相当数いるらしい。この夏卒業する3年生は、就職先の事務所によっては、勤務開始日の数ヶ月単位の延期、給料の据置き(freezing)又は切下げ等の措置を受けている。内定取消しはきわめて限られているとのことだ。

LLMへの影響はさらに深刻だ。そもそも、日本人の弁護士はともかく、外国からLLMに来る人たちの多くは、きわめて経済的動機に基づいている。アメリカで法学教育を1年ぽっきり受けるだけでニューヨークバーの受験資格が得られ、アメリカの事務所に就職すればアメリカ人弁護士(といっても1年目だけれど)と同水準の給料が得られ、(多くの場合そうであるように)本国のオフィスに戻ることになっても、その高い水準の待遇が継続される。本国がどこかにもよるが、彼らにとっては4万ドル強の学費は決して高くない投資だったのだ。しかし今年は、不運なことに、就職活動の結果がふるわず、LLMが終わった後は結局本国の事務所に戻る人が多いようだ。

セッションでは、現状及び今後見込まれる影響が整理された上で、ロースクールを卒業していく学生が今後どうすべきか?が議論された。以下ちょっとだけ引用。

John C. Coates:
20年前は、新人弁護士は弁護士事務所のビジネス(business fundamentals)について無知なまま、法律(law fundamentals)に没頭していればよかった。今は違う。

Ashish Nanda:
需要が減少する場面においては、質への逃避(flight to quality)が発生する。

David B. Wilkins
ハーバードロースクールの学位の価値は、ケンブリッジからの距離と反比例して幾何級数的に増加する。

M Weber (Office of Career Services)
今の就職活動の状況は、きっとソフトランディングするだろう。到着までの間は乱気流も多く、エアマスクが降りてくることもあるだろうが。

The End Of Lawyers?: Rethinking the Nature of Legal Services

The End Of Lawyers?: Rethinking the Nature of Legal Services

雪に負けないためにチューリップを買う


シンフォニーの帰り、Whole Foodsでも花が売っていることを発見。先週末だいぶ暖かくなってせっかく春がやってきたと思ったのに、昨日、今日とまた降ってきた雪に負けないため、赤とピンクのチューリップを買ってみた。こっちにきてから自分の部屋に花を飾るのは初めてだが、やっぱり部屋の雰囲気が明るくなってよいと思った。

ちなみに花びんの横にあるのはアップルのTime Capsule。容量がいっぱいになるまで、Mac上のデータを自動でずっとバックアップしつづけてくれる。新しいMacを買ったときの移行はこれで簡単にできるし、また(クラッシュしたときなど)これがあったおかげで助かったことは何回もあるが、過去のデータがずっと残りつづけるのも多少居心地が悪い面はある。昔は、パソコンを買い換えるたびにデータの整理をしたおかげで、あっさり過去と決別していたなあ。特にメール、Becky!とかOutlook ExpressとかApple Mailとか、メーラーを変えるたびに過去の個人メールは置き去りにしていたが、Gmailになってからは何年分ものメールがギガ単位でたまっていくのだなあ。。。

Apple Time Capsule 1TB MB765J/A

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Apple Time Capsule 500GB MB764J/A

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